【2025年3月時評】現在のペルー政府のもとでの子どもたち青年たちの状況 ペルーのダニエルより。

ダニエル・サンガマ・パンドゥーロ
1988年ロレト県・イキトス市ベレン生まれ。小さい時から市場やカヌー交通の漕手として働く。大学で情報科学を学ぶ。現在教育省で働く。1児の父。

ペルーの子ども達や青少年達は、決して喜びや熱意、そして何よりも前進する意欲を失っていない。

2024年12月ペルーの夏休みが始まって彼らは喜んでいた。しかしそれも教育があらゆる困難や波乱に見舞われるまでのことだ。中でも教育機関への食糧入札における汚職行為により、国内各地の多くの子どもたちの健康が深刻な影響を受けている。

ペルーの子どもや青少年が成長する力、推進力、回復力を評価することが重要である。毎年末には、政府は少なくとも、「尊厳」をもって過ちに立ち向かおうとする彼らの努力を称え、メダルを与えるべきである。

ペルーでは、次のような多くの課題が残っている:

貧血
国民人口・健康調査(ENDES 2023)のデータによると、貧血は3歳以下の子どもの43.1%にみられ、10人に4人が罹患している。このデータは地域によって異なり、たとえば2024年3月、プーノでは10人中7人の子どもが貧血に悩まされていることがわかっている。地方レベル、州レベル、地域レベル、国レベルであろうと、国家はそれぞれの方向を向いており、汚職と結びつき自分たちの利益を優先するあまり、子どもたちの学習と発達に影響を及ぼすこの公衆衛生問題に真剣かつ断固として取り組んでいない。

農村と都市の格差
サービスや機会へのアクセスという点で、農村部と都市部との間に著しい不平等が残っている。ペルーの遠隔地の学校は、雨、地滑り、洪水、土砂崩れなど自然現象の猛威に悩まされている。この2025年3月17日(2025年3月17日、ペルーのディナ・ボルアルテ大統領は首都リマで非常事態を宣言した。非常事態宣言は30日間にわたり、市民の集会や移動の自由などを含む権利が制限される。)は、確実に新学期の始まりに影響を及ぼすことになる。学校が浸水するだけでなく、安全な水、電気、衛生サービスを受けられなくなるため、いつものように、子どもたちとその家族はこうした状況に立ち向かわなければならない。

暴力
子どもや青少年に対する暴力は、依然として深刻な問題である。国民擁護局には2024年12月までに、子どもや青少年に対する暴力が46,000件以上寄せられている。これらのケースのうち、16,447件は女性緊急センター(CEM)で対応された性的暴力に関するものであり、MINSA(厚生省)は2024年に10,908件の児童・思春期の性的虐待被害者を報告し、また精神保健サービス局では5852件の性的暴力と児童虐待を対応した。

国家による殺害
現政権がまだ負い目を感じているもう一つの分野は、デモに出かけ正当な権利を要求したのに国家(軍・警察)の武器によって殺された若者たちである。

ペルーでは、子どもたちや青少年は、さらなる前進を阻む障壁や問題となるさまざまな状況に直面している。そのため、権利を獲得するための費用や努力は複雑である。

このため、いくつかの注目すべき進歩に言及することは重要であるが、子どもたちの権利の回復やペルーの子どもたちが経験していることに向き合うには十分ではない。

乳幼児死亡率の減少
1991年には出生1,000人当たり78人であった乳幼児死亡率が、2023年には1,000人当たり20人となり、大幅な減少が達成された。

女性の社会参加
女児の社会参加が重要であることを示すため、女児が一日体験として国の地位についた。ペルーでは、3月8日の国際女性デーの一環として、児童青少年協議会に所属する女児が一日大臣となった。女性が重要な地位に就けることの象徴として、政府にとって良いパフォーマンスだが、子どもたちにとっては十分ではない。

学校
2024年、リマでは200周年記念の20校が開校し、前年にすでに開校していた11校に加わった。しかし学校の数を増やすことには関心があるが、教育インフラの格差は依然として大きな懸案である。

国の優先順位
幼児期は、2030年までの子どもと青少年のための国家多部門計画の存在により、国家の優先課題として認識されている。この計画を実施するために国の各部門(省庁)がとる行動は、子どもと青少年の課題に立ち向かう自主性と力を奪うものである。

ペルー国家は、2030年までの子どもと青少年に関する多部門にまたがる国家計画を策定している。この計画には、幼児期と青年期のための行動があるが、計画にあるこれらの行動には予算がなく、保健省、教育省、労働省、開発・社会的包摂省などが実施する行動によって実施されている。

母親と父親を支援する国家プログラム「Cuna Más」(もっとゆりかごを):貧困や極度の貧困にあえぐ地域の36カ月未満の子どもたちの発達を改善することを目的としている。親が働いている間、朝8時から夕方4時まで子どもを託児所に預けることができる、 以前は12時までしか子どもを預けることができなかったため、店主や露天商などの仕事をしている親は子どもを預ける相手がいなかった。Cuna Másを利用することで、彼らは働き続けることができ、仕事をすることで貧困の数に含まれなくなる。また正規または非正規の雇用の可能性を生み出す。

「ワシ・ミクナ」プログラム(旧カリ・ワルマ)
公立教育機関の就学前児童と小学生に補食を提供しているプログラムである。しかし中学校や、個別指導、宿泊型、交代制の学校では、保護者が食費を負担しなければならないことが多く、まだ格差がある。

ペルーの保健と教育には重要な進展が見られるものの、貧血、栄養不良、暴力、地理的不平等、基本的サービスへのアクセスなど、同国の子どもたちのニーズに関する大きな課題が残っている。この政府にとって、それは車の最後の車輪である。

2025年3月10日  リマ・ペルー ダニエル

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