ペルーの社会のことを、順次アップしていきます。

ペルーにおける社会経済基準について

ペルーの経済階層について

 

2018年取材より クシ・プンク 義井豊

ペルーの子どもたちが何故働かなくてはならないか。

2017年の貧困率が前年の20.7%を1.0%上回り、21.7%に達した、とペルーの国立情報統計院(INEI) が発表。37万5000人の貧困層が増えたことになる。政治的責任を追及するなど波紋が広がっている。

というニュースが2018年4月下旬にペルーに広がった。

人口3310万のうち719万人が貧困層ということになる。

同じ時期に、1948年フランスで創設された経済協力開発機構(OECD)は、ペルーの中間層のうち40%は、いつでも貧困層に転落する脆弱性があると報告。インフォーマル就労者の80%は貧困層が占める。経済の多様化、生産性の向上、インフォーマル就労の減少が急務だと警告している。

1990年フジモリ政権以降、ペルー政府はネオリベラリズムと呼ばれる新自由主義経済政策を選びIMFの傘下に入った。その指導に基づきインフラ整備の資金が入り込む。

当時リマ市内は多くの銀行が新社屋を建設し海外からの投資資金の受け皿としての機能を担い象徴的に繁栄していった。270社余りの国営企業が民営化され、経済的競争社会が進んでいく。2000年台になってフジモリ政権に代わって貧困層の訴えを吸収した大統領が続くが、フジモリ政権時代と同様、いっときの バラマキしかできず、基本的な経済体制をIMF体 制に置いたままのため貧富の拡大だけが進んでいった。

自由を追求すると資金を持っている層だけが経済的余裕を拡大させ、貧困層を回復させる平等の概念は犠牲になっていく。その典型的状況が進捗していく。

海外からの投資が増大したこの30年あまりのあいだに、貧困地域にまでメガプラザと呼ばれる大型ショッピングモールが建設される。同時に全国の大都市に広がり、格差もそれに合わせて広がっていく。

そんな環境の中で子どもたちはその重圧で仕事を失い、「自由」を満喫する層から激しいいじめにあって、一方的に経済的には排除されるその最先端の階層になってきているように見える。インフォーマルセクターが経済の7割を形成していると言われるペルーで、おとなたちに互して仕事をする子どもたちが仕事を失っていく。もとより家族を支える仕事は増加し、貧困層はますます貧困の度合いを増している。

仕事が得られない子どもたち・若者が生活を維持するために「自由」で選んだ仕事は泥棒・強盗稼業になっていくという現実が加速している。

果たして子どもたちが貧困から脱出できる日はくるのか!

2018.04.27 エルコメルシオ紙より

ペルー人ひとり当たりの月額平均支出は、732ソル(25200円)

◆支出内訳◆
食費 194ソル(6720円)
住居・光熱費 143ソル(4928円)
外食費 98ソル(3360円)
保健 59ソル(2033円)
交通費 53ソル(1826円)
各種サービス 37ソル(1275円)
衣料靴 32ソル(1102円)
教育 30ソル(1034円)
レクリエーション 29ソル(999円)
通信費 29ソル(999円)
家具日用品 27ソル(930円)