【2022年12月時評】ペルーで健やかに美しく生きる ペルーのダニエルより。

ダニエル・サンガマ・パンドゥーロ
1988年ロレト県・イキトス市ベレン生まれ。小さい時から市場やカヌー交通の漕手として働く。大学で情報科学を学ぶ。現在教育省で働く。5歳の少女の父。

“ペルーで健やかに美しく生きる”

ということは、温かく、調和的で、先祖伝来の響きがあります。しかし、近頃ペルーが政治的危機を迎えているため、健やかに美しく生きることがユートピアのように聞こえるようになりました。15歳の若者が死亡し、その他にも負傷者も出て、INTIやBRAYANの身に起こった不公正が再びおこったのです。国のために戦い暗殺された若者たちがおり、殺害者は罰せられないまま今日に至っており、このような殺害の責任は誰もとりません。いま、両親、兄弟、友人、学友に死を悼まれているアンダワイラス地方の10代の若者にも同じことが起こる可能性が非常に高いと思われます。

「訳者註*2020年11月Manuel Merinoが国会で大統領に任命されたが国民の大反感をかって一週間で辞職。その時に暴動が発生しリマ市内で子供二人が殺され大勢が負傷した。INTI,BRAYANはその被害者。」

2022年12月12日以降、さまざまな国の子どもたちや青年たちの運動体が声明を出していますが、こうした呼びかけや声明が、子どもを守るべき人たちに響くことを期待しましょう。しかし、今日のペルーのような暴挙はなぜ起こったのでしょうか。以下の箇条書きの中で、いくつかの見解を述べたいと思います。

 

  • COVID-19の大流行により、地方都市、地方政府、そして国家に渦巻く汚職の状況が悪化し、役人や当局者は汚職で統治することが日常となり、それを日々生きがいとし、国民のお金を浪費することを恒常化するようになった。
  • ペドロ・カスティージョがペルーの大統領に選出され、行政、司法、立法府の間に多くの対立が生じましたが、それを認識せず、ペルー当局は自分たちの利益に奔走した。
  • 水不足、生活必需品の高騰、少女や女性に対する暴力、値上がりするガス、パンなどは、一般市民の懐に深く影響を及ぼしている。
  • 最後に、ペドロ・カスティージョ・テロネス前大統領のクーデター失敗で国が混乱し、相変わらずペルーの国会議員やマスコミは自分たちの利益になるようにしか動かない。

 

では、このようなことがペルーの子どもたちや青年たちにどのような影響を与えるのでしょうか。学習回復プログラムの中断、栄養不良の増加、男性の暴力や暴行による少女や女性の殺害、市場や広場などで働く子どもや若者の迫害、子どもや若者たちの心理的影響、尊厳ある仕事をする権利を守るために抗議し親が投獄されること、学校の閉鎖や交流スペースの制限、などによりペルーの子どもたちや青年たちは大きな影響を受けます。質の高い医療、教育がすべての人に切れ目なく提供されないことも子どもたちや青年たちに影響を与えます。

国は国民のためにほとんど何もしていません。国を乗っ取ろうとする少数の人々が、国民、特に子どもや青年が街頭で自分たちの権利を要求するのを、「強制されている」「操作されている」と言って妨げています。

 

このため、ペルー労働者児童青年組織全国運動(MNNATSOPナソップ)は、親たちが闘っている間、食料と安全、闘争への貢献を守るため、彼らが住んでいる家と地域の世話をしています。彼らにとって、ペルーで元気に暮らすことは絶え間ない闘いとなっているため、働く子どもたちは自分たちの拠点から闘っています。逆境にもかかわらず勉強し、兄弟姉妹や仲間の世話をし、食料や水を確保し、国から虐げられていることに対し声を上げるために自分たちを組織します。ペルーで子どもたちと青年たちが健やかに美しく生きることは、逆境を解決に変え、欠乏を闘争と分かち合いに変えることです。これらの闘争の形は、ペルーで健やかに美しく生きたいと願う私たちによって正当化され、支持されるものです。

 

ダニエル・サマンガ・パンドゥロ
働く子どもたちの協力者
34歳、イキトス出身

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