【2022年7月時評】すべての人に影響を与える決定 – ペルーで起きていることについての考察 ペルーのダニエルより。
ダニエル・サンガマ・パンドゥーロ
1988年ロレト県・イキトス市ベレン生まれ。小さい時から市場やカヌー交通の漕手として働く。大学で情報科学を学ぶ。現在教育省で働く。5歳の少女の父。
ペルーの人々は、子ども、若者、成人の基本的人権を中心に、いくつかの懸念を持ち始めています。2022年がはじまり6ヶ月間、教育、仕事、健康、食糧確保、雇用の安定など基本的な権利の面で、社会の様々な主体を不安にさせるような動きがありました。
ペルーの各地域、中央、南、北、東、西、田舎、都会、農村、アンデス、アマゾンの人々の思いは限界に達しているのです。例えばアマゾン地域では、長い間、10キロのガスボンベが70ソル、一番安い米が1キロ3ソル(1ソル=約35円※2022年7月)。家庭の毎日の主食である卵、肉、鶏も言うまでもなく値上がりしています。学校では暴力が増え、生徒の状況や心情のケアがされていません。また、医療にアクセスしにくくなり、薬も手に入れるのが難しくなっています。これらはすべて、地区、州、地域において選挙がある年で起こった話です。
物価の上昇は、ペルーで働く子どもたちや青年たちも感じています。彼らが言うには、物自体は増えているということですが、買い手からは「給料が上がっていないのに、なぜ値段を上げるのか」と声があがります。働く子どもたちの親の多くは仕事を失い、非正規雇用になったり、露天商(衣服、菓子、掃除用具、マスクなどの生活必需品を売る)として働かざるを得なくなったのです。不安定さが家庭にも反映され始めたので、パンデミック時に近所にできた炊き出しや共同鍋は、このような不安定な時代の家庭の救済のようなもので、重要な役割を果たすようになりました。
7月28日(ペルー独立記念日)、今年2022年はペルー大統領が国民に向け、経済強化につながるメッセージを発することを期待します。ボーナスは良いが十分ではありません。米、砂糖、油、卵、パンなどの商品価格が高コストではなく、より質の高い生活を送るために日々奮闘している家族にも手が届く価格である必要があります。
2022年6月26日、ペルーの働く児童青年全国運動(MNNATSOP)は地域会議をカハマルカで開催しました。マントック、ミカント、マントック学校のNNATsの組織が参加しました。彼らは仕事の現実について語り、水道代、電気代、食費、移動費、健康費、レクリエーション費、時には住宅の家賃を払わなければならないので、親の稼ぎでは十分でない、と述べました。そのため家族でその費用をまかなえるように、彼らは学業に支障をきたすことなく、誠実に父や母をサポートしています。
また、これらの費用をまかなえない状況になると、家庭内で女性や子どもに対して暴力が振るわれる傾向があるため、精神的な面でも家族に影響があると述べています。
MNNATSOPカハマルカの働く子どもたち・青年たちは、彼らが日々置かれている状況や家族が直面している心配を共有するだけではなく、彼らが販売している商品やサービスが売れるようにするための工夫をこらしたり、労働の尊厳などの権利、女性や少女に対する暴力の防止を主張するための行動を展開しています。
ペルーが直面している困難な時代において、より公正で人道的で思いやりのある社会を求める彼らの闘いは、とりわけ重要です。