ペルーの大統領選2021:働く子どもたちの意見
2021年4月11日に大統領選挙が行われ18人が立候補した。
即日開票の結果カハマルカの教職員組合委員長・ペドロ・カスティヨ氏が19.08%で1位、3度目の大統領選朝鮮のケイコ・フジモリ氏が13.36%で2位になり決選投票に臨んだ。6月6日の決選投票は6月15日の段階で中央選挙管理委員会は100%の開票を終えている。その結果ペドロ・カスティヨ候補(50.125%・8,835,579票)ケイコ・フジモリ候補(49.875%・・8,791,521票)その差44,058票でカスティヨ候補が勝利した。しかしケイコ陣営は選挙に不正があったとして中央選管に異議申し立てを行なっているため6月17日現在まだ正式な確定発表は行われていない。
「民主主義か共産主義か」フジモリ派をはじめとした保守派が反民主主義的手法の反共キャンペーンを広く行ってきた。あのフジモリ嫌いのバルガス・ジョサがケイコ・フジモリ氏を支持を宣言し、その息子アルバロを最後のケイコ・フジモリの集会に派遣して反共宣伝を繰り返した。TV局の報道番組で1時間半のケイコ集会の実況生中継を(カスティージョはニュースで少しだけ)するという歪んだ偏向報道をしてまでもケイコ・フジモリに肩入れした。 それでもケイコ・フジモリは敗れた!! それはなぜか??
16歳のMNNATSOPに所属する青年2人の意見を聞いた。
2021年6月17日 義井豊
ミラグロス・アンヘレス・キスぺ、16歳、ワンカベリカ大学1年。小学4年生の女の子に算数を教えています。
現在、ペルー社会における政治と経済の状況は複雑ですが、大統領選挙では決選投票に2人の両極端の候補者が進み、有権者は両極端の候補者から選ばなければならないという非常に難しい状況に追い込まれました。両候補とも誇張していて、どちらも良くありません。
この状況を私たちはどう感じているか?
政治をテーマにするとき、投票権がない私たち子どもや青年、まして働く子どもに関して考慮されたことはありません。私が考えたことや、私たちが政治家のことを考えなくなったことは、彼らにとってはほとんど何の問題にもなりません。彼らからすると、私たちと話すことは、その日の選挙活動が無駄になってしまうことだからです。
両極端な候補はどちらも良くありません。こちらの方がいい、あちらの方がいいなど言われていますが、政治家とはどういう人か私たちは知っています。候補者は選挙の際に多くのことを約束しますが、いざ政権を握るとそれを実現しないのです。彼らに投票した人々は公約に対して投票したのですから、これはとんでもないことです。そして何よりもひどいのは、彼らの誰もが子どもたちのために何も実行していないということです。
両候補とも、健康や経済、議会のあり方などには熱心に取り組んでいますが、子どもたちについては尽力していません。しかし、それは間違っています。なぜなら、すべては私たちから始まるからです。私たちは未来の有権者であり、未来の政治家を投票して選ぶのは私たちであり、私たちは社会の基礎なのだから、彼らは私たちに注目すべきです。特定の利益のために、少しずつ社会が破壊されています。 個人主義、利己主義が社会に君臨しています。
結論として私たちが心配しているのは、どの政治家も、どの議員も、どの大統領候補も、私たちのことを考慮していないということです。実際、例えば私の地域ワンカベリカでは、当選した議員がスピーチの中で「靴磨きの仕事をして、耐えしのんで生きてきた」と言っていた人がかなりいます。しかし、彼らはまだ子どもに目を向けていません。
ジョハン・アヤラ・アサニェロ、16歳、中学5年生。カハマルカ地方のMICANTO Jesús Obrero所属。MNNATSOPの全国代表を務めており、とても誇りに思っています。
ペルーが置かれている社会的、政治的状況をどう思いますか?
非常に深刻な状況であり、非常に厳しい政治的危機だと思います。ペルー人全員の熟考に大きく左右されますが、尊厳や自由投票の権利、表現の権利など、いくつかの権利が尊重されていないからです。
ペドロ・カスティージョの支持者、またケイコ・フジモリの支持者が行っているデモ行進には、多くの批判が寄せられています。ご存知のように、私たちは皆、自分が感じたことを表現するに値し、表現は自由であり、誰もそれを否定することはできません。
また、誰が勝っているのか、誰が勝つのかがまだわからないため、結果が出るまで多くの中断があります。開票集計は100%処理されていますが、不正集計がある、他の政党によって操作されていると、主張が続けられています。
これは非常にまずいことです。なぜなら、国民投票は尊重されなければならず、すべての人に権利があるため選挙プロセスも尊重されなければならないからです。また、ペドロ・パブロ・クチンスキ以降、ビスカラ、メリノ、フランシスコ・サガスティと大統領が変わっており、非常に大きな危機の時代であることも考慮に入れなければなりません。これはとても深刻なことで、政治的環境が非常に歪められていると言えます。
国を前進させるための明確な目標がありません。それがないと、国としての危機に沈み続けてしまう。今年は、どちらの候補者が勝っても、ペルーのために約束を果たしてくれることを期待しています。困っている人たちのために国民のためになる法律が作られることを。パンデミックにより病院で命を落としている人たちや、勉強する場所がない働く子どもたちや青年たちなど、必要としている人たちのために。