【2020年10月時評】ペルー情勢、MNNATSOPとMANTHOCの活動、ペルーのダニエルより。

ダニエル・サンガマ・パンドゥーロ
1988年ロレート県・イキトス生まれ。ソーシャルコミュニケーター。2004年から2006年までMNNATSOP全国代表。現在、MNNATSOP全国協力者代表。教育省の生徒協働教育プログラムメンバー。

「紫の月」10月のペルーより

ペルーで10月は、紫の月と呼ばれ、大勢の信者が紫のキリスト像に対して深い信仰心を表す。
(昨年までは)子どもや若者、大人が花やトゥロン(伝統菓子)、ろうそく、飲み水、料理などを販売する商売が成り立っていたが、今年は、COVID-19のパンデミックの影響により、全国的に大勢の人が集まることはない。

ペルーの人々は良き労働者であるが、一部の人たちは、彼らの(労働者としての)権利を認識せずに(あえて)「起業家」と呼ぶことがある。そのようなペルーで「こうした労働者たちは、パンデミックにどのように挑んだのだろうか?」

政界の動きと現実

今月は、政界でも動きがあり、政党の連合、芸能人の国会議員立候補、左派とされる政党の内部選挙などが表明された。
しかし、堅実的で国のためになるような提案を掲げる人物については、メディアはほとんど取り上げない。
これは、数多くある問題の一つに過ぎないのだが、パンデミックへの最低限の取り組みや、貧困や差別に立ち向かう働く子どもたちに関して提案をする候補者もいない。今月、国内で明らかになった女性虐待や性暴力に関しては言うまでもない。

際立った政策としては、海岸の閉鎖や補助金の給付、道路補修・メンテナンスにあたる地方の雇用による経済回復、COVID-19予防対策の各省への移行、タブレットの提供が挙げられる。
このタブレットの提供は、政府が4月に確約し、リモート教育用に生徒に提供される予定だった。提供が始まったのは、学年が終わる直前となったが、過ちを正すのに遅すぎることはない。ただ、この遅れは児童福祉への関心が薄いという表れと言えるだろう。

また、インターネットやスマートフォン、コンピューターがなく、また、テレビやラジオの電波が居住地域に届いていないことから、約20万人の生徒が遠隔授業を受けることができなかった。(テレビやラジオで授業を放映するという)政府の試みは、興味深かったが、十分とは言えない。
子どもたちの権利や教育、健康、精神不安定、暴力から守るためにも、昨年のパンアメリカン競技大会(を主催した時)に見せた政府の熱心さや関与があればよかったのではないかと感じる。一方で、大統領と政府は2度目の罷免要求に立ち向かわなくてはならない。

10月の働く子どもたち運動

MNNATSOPナソップおよびMANTHOCマントックの働く子どもたちは、国が抱える問題や状況に無関係ではない。
各拠点から可能な手段を用いて会合に参加しているが、グループのメンバーと集まることが困難であり、デジタルの格差があると感じている。しかしながら、その中でも地方の代表者や協力者が集まれる可能な手段を模索している。

10月は、長年におよぶ協力者のひとりであったフアン・エンリケ・バサンが亡くなり、働く子どもたちにとって残念な月でもあった。フアン・エンリケは、子どもたちの代表や路上生活を送る子どもたちの団体『ヘネラシオン』の母体とともに反省、批判、提案をする指導者でもあった。

さらに、10月は、公開イベントに参加し、働く子どもの労働に関して議論するなど、その活動において重要な月となった。

<公開イベント>パンデミック期に働く子どもの状況に関する見解

 このイベントは、ペルーの社会学者学会と共催し、国際労働機関(ILO)の代表者およびワヌコ地方の社会学者の代表を招待した。
ナソップ側からは、考慮の結果、かつての働く子どもとラ米代表が議論に参加することになり、働く子どもの労働の価値について発言。その活動や正当な条件の仕事が人生を確立する助けとなると言及した。

ペルー法務人権省(MINJUSDH)が担当する「ビジネスと人権に関する行動計画」の会合への参加

ナソップとマントックの働く子どもたちは、彼らの労働の価値を示すため、また、働く子どもたちの尊厳を基本的人権として確立する手段の一つが両団体であることを明示するため、この会合に参加。会合にあたっては、両団体の働く子どもたちが協力者とともに次のような見解を準備した。

1. 搾取ではない正当な労働を!40年前から活動する働く子どもたちの団体の主張であり、私たちの活動が貧困根絶を支援し、あらゆる暴力からの保護のメカニズムを促進する。

2. 私たち、働く子どもたちの団体は、独立した団体として、正当な条件下の労働の権利を認識した上で、先住民社会、地方、都市で働く子どものいかなる搾取、乱用に反対する。

3. 働く権利は各人が持つ。だからこそ、私たち、働く子どもは、家族の食費や教育、娯楽に貢献している。多くの人が、働く子どもは、遊ばず、教育も受けず、娯楽もないというが、私たちやラテンアメリカの仲間たちはそうではないことを知っている。働く子どもとして、子どもたちへのいかなる搾取にも反対であることを明確にしたい。また、犯罪や奴隷、幼児への性的搾取、私たちの権利を犯す事柄に対しても反対する。

4. 15の地域から集まったかつての働く子どもたちには、働く子どもや青年として組織化してきた経験を共有し、今では国や民間企業で職に就く専門家もいるということを伝えたい。
地域代表でもあったかつての働く子どもの仲間は、もしこの40年間、尊厳を持って我々の労働を評価する働く子どもの活動がなかったら、自分たちの人生はどうなっていたのだろうかと語った。また、パンデミックによって(国に)対応してもらえない病気の治療に、我々は伝統医療を用いている状況下にあるとも。

最後に、子どもや青年、大人の正当な労働は、今日私たちが生きている社会として立ち向かわなければならない。問題は子どもではなく私たちに対する搾取や犯罪なのだ。

マントックの44周年記念

マントックは、10月25日に記念日を祝った。全拠点から参加し、挨拶や反省、目標を語った。また、現在様々な世界で働いているかつての働く子どもも参加し、マントックでの経験を共有した。パンデミック禍における44周年は、クリエイティブで革新的、思慮深いものとなった。引き続き働く子どもの権利を主張していくためにも、長く続くことを望む。

(ダニエル)

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