レポートその①→Canta Galloって?
レポートその②→墓地を清掃する少女の映画鑑賞

レポートその③→グループの名前が決定
レポートその④→待ちに待った遠足の日
レポートその⑤→みんなで決めたルール

レポートその⑦→ホットドックを売ろう!!
レポートその⑧→サン・フアン祭


こんにちは。
私の通っているカトリカ大学ではもうすぐ期末テストのため、図書館には毎日多くの人が詰めかけて勉強しています。各授業で分厚い文献を読まなければいけないので、多くの学生が大きなリュックサックに何冊もの本を入れて通学しています。朝から晩まで大学にこもっている、という学生も珍しくありません。

さて今回は交換留学生の私が、なぜNNATSCAPでの活動をお手伝いさせてもらうに至ったかについて少し話したいと思います。私が日本では国際特学部に所属し、特に「貧困」について関心を持ち、それに関連した講義を取っていました。次第に机の上で学ぶだけでなく、実際に途上国へ行って自分の目で見てきたいという思いが生まれ、ペルーに留学をしました。

ペルーでの生活は全く日本と異なるものでした。特に強く感じたのがペルーの中に全く異なる2つの社会が存在する、ということです。例えば私の通っているカトリカ大学は私立大学で、ある程度お金のある家庭の子どもしか入れないと言われています。大学内では多くの学生が自分のノートパソコンを開いて勉強をしていたり、自分の車で通学しています。

コミュニティーを走りまわるNNATSCAPの子どもたち

その一方で、大学へ行くためにバスに乗っていると、子どもたちがバスの中にお菓子を売りに来たり、赤ちゃんを抱き抱えた女性が物乞いにきたりします。ペルーで生活することで、富める人とそうでない人との大きな格差を感じました。しかし私が普段生活する場は、その中のお金持ちの人たちの生活する場でもありました。もっと働く子どもたちの生活や環境について知りたい、そういった思いが強くなりました。

そういった経緯から働く子どもたちに関して調べているうちに、昨年末にペルーで活動を行っているNGOクシ・プンクに出会いました。団体の方の紹介でINFANTを紹介してもらい、ビジャ・マリアやペルー北部ピューラで行われてる活動の見学や実際に子どもたちと話をする機会をいただきました。

それまで私の中で「子どもたちが働くこと=無くさなければいけない」と、極端に言ったらそのような考え方が少なからずありました。ですが、INFANTは「子どもたちの働く権利」を守る、またそれを子どもたちに伝えていく、という活動方針を取っており、私にとってそれはとても新鮮なものでした。

ペルーでは多くの子どもたちが働いています。ですが彼らが働かなくてはならない現実を前に、子どもたちの労働を廃止することはとても非現実なことです。また子どもたちが必ずしも嫌がって労働をしているわけではありません。サン・ホセ・オブレロ学校で出会ったカリナという10歳の女の子は6歳の時からお姉ちゃんと一緒にパンを作っています。彼女は「働くことが好きだから、もっと上手にパンが作れるようになりたい」と言っていました。

初めてCanta galloへ訪問した時、まだINFANTの支援自体が1カ月前に始まったばかりでした。それまで私が見学したどのコミュニティーよりも騒がしく、子どもたちは中々スタッフの話を聞けませんでした。ですがたくさんのビーズや絵具、色鉛筆を前にみんなの顔がとってもきらきらしていました。

絵を描くのが大好きなクリスティアン

また、Canta galloのコミュニティーがある場所は、決して清潔な場所ではありません。近くにはごみで溢れていたり、変なにおいがいつもします。ですがシピボ独特の素晴らしい文化がコミュニティーのあちらこちらに垣間見れ、そんなことは全く気になりませんでした。まだ支援が始まったばかりのCanta galloでの活動を通じて、子どもたちと一緒に「働く子どもたちの権利」を学びたい、また子どもたちの生活・シピボの文化についてもっと知りたいと思いました。

私が活動に参加して約3カ月、ルールを決め、役割分担をし、以前よりも積極的に発言をする子どもが増えてきました。その一方で、顔を出さなくなってしまった子どももいます。NNATSCAPでの活動はまだ始まったばかりです。私が活動に参加できるのも残り2カ月を切ってしまいましたが、少しでも子どもたちの環境を理解できるように、自分に出来ることをやっていきたいです。

(つづく)

レポートその①→Canta Galloって?
レポートその②→墓地を清掃する少女の映画鑑賞
レポートその③→グループの名前が決定
レポートその④→待ちに待った遠足の日
レポートその⑤→みんなで決めたルール
レポートその⑦→ホットドックを売ろう!!
レポートその⑧→サン・フアン祭