ペルーでは家庭環境によって経済階層を5つ(A-E)に分けている。
毎年その指標が発表される。
A-$5000/月
B-$2000/月
C-$1000/月
D-$500/月
E-$200/月
もっと詳しくは→経済階層について


2019年人口:約3200万人
内 1100万人がリマ首都圏に住む。リマ市は貧困層が減少したが全国的には貧困層が拡大している。

左:首都圏   2009年   右:全国
データ引用:
APEIM(Asociacion Peruana de Empresas de inteligencia de Mercados)
ペルー企業マーケティング情報協会、
INEI / Insituto Nacional Estadistica e Informatica (Presidencia del Consejo de Ministros) 内閣府統計情報局

2009年貧困層と言われる月収500ドル以下のDとEクラスは全国で57.5%。 首都圏では46.2%である。2019年になると同じレベルの階層は全国で61%で、首都圏では27.9%に減少している。この10年で首都圏の貧困層が減少して地方との格差が広がったことがわかる。

月収$1000のCクラスが首都圏で31.8%から44.3%に増えていることで、一見中間層が増加したようにも見える。しかし A,Bクラスの生活環境との落差は限りなく大きい。

都市部の零細小企業の労働者は、労働者全体の76%を占めており、そして商業とサービス業がその70%を占めている。これらがコロナ禍において現在は完全にあるいは、部分的に活動を中断している。その労働者の多くは基本的に生活保障のないインフォーマル就労で、商業・サービス業の70%に当たる。その平均月収が 969 ソル(約 270ドル)、独立系のインフォーマルの場合は 974 ソルだ。彼らは各種社会保障を受けらないし、年金システムにも加入していない。

この環境で生活者の多くの家庭で問題が日常的に発生している。子ども達が働かないと家計がまわらなっかったり、家庭内暴力の発生する原因もたくさん潜んでいる。伝統的なマチズムが社会の底辺に蔓延しているだけでなく常態化した貧困が多くの家庭に深く根を張っている。

22 Sep 2020 報告作成
NGO Asociación Cussi Punku 代表 義井豊 Lima Peru